朽ち行く世界に君が居るなら
「どうしておまえは死を選ぶ?」
「それが世界を再生させるために必要だからだ」
必要であることを何度考えても最善の方法だと俺の頭がはじき出す。
だから俺はずっとずっとそれを選択してきた。
「優しい世界に?」
「明日にとってだ」
「それはつまりおまえが目指した”優しい世界”だ」
つとC.C.の細い腕が頬に伸びる。
寂しげに。
優しげに。
「なのにおまえには優しくないんだな」
「そんなことはないさ」
許されてはいけない。
そんな世界こそ俺にとっては優しくないだろう。
それに優しい世界にいて欲しい一番の人間がそこにいる。
それだけで。
「さぁスザク、始めようか」
何をとはこの場にいる誰も問わない。
誰もが知っている。そのシナリオを。
誰もが知っている。その結末を。
「これが始まりだ」
高らかに開始の合図を告げる王に騎士は跪くしかない。
頭を上げることを許されているけれど、顔が見れない。
『ルルーシュ』
音のない声が名前を紡ぐ。
彼は何も言えない。
だからさあ、何度でも世界を再生させよう。
どうして、と聞いたことがある。
「どうして俺には生きろと言うんだ」
自分は死ぬくせに。
死ぬシナリオを立てて、今もそうあろうとしているのに。
なのになんで他人にだけ。
「おまえは生きろ」
何度も、何度も、そんなギアス【願い】を掛けるんだ。
いつも通りに少し皮肉めいた顔で笑いながら。
「共に滅ぶのは美談とは言えないだろう?」
「別に美談を作っているわけじゃないだろう。悪逆皇帝なんだし」
「壊すだけ壊して放置していくなんてそんなものは無責任に過ぎる」
「つまり責任を俺に押し付けて行くんだ」
「それがおまえの罰だからな」
平等になとルルーシュは言う。
”死にたがり”だから俺が生きる。それが俺への罰。
”死ねない”と強く思ってきたルルーシュが死ぬ。それが彼への罰。
どこが平等なんだ。
単純に死ぬなと言ったルルーシュのその想いが出ているだけだ。
俺は望まないが、それでもルルーシュは俺にそれを望む。
たとえ美談にならなくても、君と一緒に終わることを俺は望むのに。
(製作中)
(製作中)
(製作中)