黒子と火神に7のお題
1.光と影がとける時 |
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1/光と影がとける時:
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2/22cmの壁:
何をそんなに夢中になって読んでいるのか。
興味というよりは、それが単に面白くなかっただけだ。黒子が読むような小難しい本に興味はない。
夢中で人のことに気づいていない(というか気にしていない)黒子の前からひょいと本をつまんで頭上に上げる。
その状態で中身を見たらやっぱりぎっしりと文字が詰まっていて見ているだけで頭が痛くなる。
「なにするんですか」
「おまえこそなんでそんなずっと本なんか読んでんだよ」
「好きだからです。空き時間に何をしていようが関係ないでしょう。寝るのが好きなら寝てたらどうですか?」
「別に好きだからってどこでも寝れるわけねぇだろ」
「だからといって暇つぶしに僕に絡まないでください」
「暇つぶしにもなんねーよ」
「いいから返してください」
ぶんと本を取り戻そうとした黒子の手が空を切る。
届かない距離にむっとしたようにジャンプしてもう一度。
やっぱり手は空を切る音がするばかりだ。
(面白ぇ……)
ぴょんぴょんと飛んでは取れない黒子を見下ろしながら笑いを堪える。
身体能力が平均以下の黒子じゃ22センチの差がある俺が上に伸ばした手には届かない。
それでも諦めずぴょんぴょんと飛ぶ姿は小動物じみた可愛さがあり。
「火神君、手を下ろしてください」
「なんで俺がてめーの言うこと聞かなきゃならねぇんだよ」
「君が僕の本を返さないからです」
「理由になってねぇよ」
ふんと鼻で笑えば黒子は考えるように飛ぶのをやめた。
なんだ諦めたのか。
そう思った瞬間。
「痛っ!!」
腹に走った衝撃に、思わず体を二つに折り曲げる。
(わき腹に突きいれやがったこいつ……!)
中々に痛い。まったく警戒もしていなかったものだから相当。体が二つ折りということは手も当然下がっている。
そもそも瞬間的に握っていられなかった。
「てめーなにしやがる!」
「天誅です」
地面に落ちた本を拾い上げながらしれっとして黒子は答える。
大切そうにほこりを払うが、そんなに大事にあつかってないだろうおまえ。
本が大切ならはなから落とされそうなことはしないに決まってる!
3/おバカと子供:
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4/クールときどき無鉄砲:
曲がったことが大嫌いだと言うだけなら容易い。
(面倒くせぇ……)
体格で恵まれていて、どちらかといえば喧嘩っぱやい性格であっても、脅されている場面を見て助けようという気はあまり起きない。
他人の揉め事に関るのは面倒だ。
どうして態々面倒事に首を突っ込まなければならないのか。
……ならないのか。
「そんなの変です」
にゅっと飛び出た頭に驚いて空間ができるのがわかる。そりゃ驚くだろう。
だが、それだけだ。黒子のようにひょろくて強そうにも見えない奴が、外見だけで相手を引かせられるわけがない。
中身でもテンで駄目だが……殴り合いになればまず間違いなくぼろぼろだ。
そんな状況は避けたかった。チームメイトとして。そう、チームメイトとして。
あいつのパスが貰えないと困るからだ。ただ、それだけ。
つまり知っていたから立ち去れなかった。あいつなら黙っていないだろうという、そんな確信があった。
間違ってはない。
現に今、あいつは口を挟んでいる。
どう考えても数分後にはぼこぼこだ。表情一つ変えない、クールなくせに、妙なところで無鉄砲だ。そんな熱い奴だなんてこれっぽっちも見えないのに。
「ぶつかってきたのはどう見てもあなたたちでしょう。どうしてこの人が謝る必要があるんですか?」
「うるせーよおまえ、っつーかどっから沸いてきた?」
「見てもいねーくせに変な茶々入れんじゃねぇよ」
「見てました。僕はずっとここで本を読んでいましたから」
「はぁ?さっきからこの辺に誰か居たかぁ?」
居ねぇよなぁという同意が方々から上がる。そりゃそうだ。意識せずに黒子に気づいたらきっと色々なスポーツ業界からお呼びが掛かる。
まずねぇなそんなことは。そう思いながらあくびをしながらのっそりと立ち上がる。
俺だって此処にいたが、気づかなかったじゃねぇか。
黒子に向かって歩くのに、途中邪魔な男たちにわざと肩をぶつける。
「うわ、なんだおまえ。痛ぇな!」
「あぁ?てめーらがどけよ」
身長190センチ超えの男に睨まれてびびらないチンピラは早々居ない。
じりじりと眼光に押され、後ずさりしながら急に一人がひっくり返った。
黒子のやつ足で引っ掛けてやんの。
それを皮切りにすたこらさっさと走り去っていく。勿論ありがちな捨て台詞は忘れない。
実に三流のチンピラだ。
「大丈夫ですか?」
こっちはこっちで実にベタな展開を広げているし。
「あ、ありがとうございます」
「いえ、どう見たってぶつかってきたのはあの人たちのほうでしたから」
見ていたという言葉に助けられた本人も居たか?とハテナマークを飛ばしているが、まぁそんなことだろう。
「おい、黒子。戻らないのか?」
「ああ火神君、居たんですね」
「礼の一つも言えねぇのかよ?」
「助けてくれたんですか?」
平然とそう返されるからそうだとかそんな恩着せがましいことは言えず。
「よくそれでイジメの対象にならなかったよな……」
正義感で庇ったら最後、そいつがいじめにあうって言うのは日本の定番だと思ったが。
「気づかれなかったので」
「そーだろーよ」
本来であれば人から気づかれないというのはそれほど気分のいいものではないはずだが、こう使いこなしているとなると便利なものだ。
こいつの存在感の薄さは天性のものなのか、自衛手段だったのか、そんな疑問が少し頭をよぎった。
5/誰が誰の嫁だ!(です!):
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6/恋する1on1:
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7/バスケ以外も二人なら:
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