ローテローゼ●前編●


夜半の月が流れる雲の隙間から顔を出す。
荒々しい足音と声。赤々と焚かれた篝火。
照らされた光景にニヤリと微笑むのは昼間の少女のうちの魔道士
―――リナである。

(ビンゴ……)

街で集めた噂を検証して大体の位置は想定してきたがまさか一発であたりを引くとは思ってもいなかった。
さて、どうしたものかといくつかある盗賊の倒し方プランを頭の中で展開し、よしと決めたところで。
きょろきょろとして何かを探しているらしい連れ
―――アメリアの姿。
鬱蒼と生えた木々の中で何を探すのか。普通に考えれば何かを落として、というのが無難な回答だろうがこの少女は聊か違う。
上ばかりを見ているところからも彼女の懸念は増徴される。
そして
―――――案の定。
いきなり飛びついて木を上り始めた少女のマントをリナは思いっきり引っ張った。

「ちょっとアメリア!」

ズベシャ。
常と同じく
――原因は違うがどのみち結果は一緒である――豪快に頭から突っ込んだアメリアをがしっと捕まえたマントで手繰り寄せ、ぐっと近づけた顔で。

「あたしたち、何しに来たんだっけ?」
「悪の撲滅、正義を広め、盗賊さんたちの更正です!」
「いや……その、間違ってはいないんだろうけど……」

頷きがたい答えにがっくりと肩を落とす。
常々思っていることだがもう少しストレートに言えないものか。

「いーい?アメリア。そうは言ってもこれは依頼なの。いつもみたいに適当に火炎球の一つでも撃って終わりってぇわけにはいかないのよ。」

なんせそれでは依頼の完了が分からない
―――山一つ消えていれば証拠になるような気もするが。
まあねぐらが壊滅状態になればその近辺で活動しようなどという不届きな奴らはいなくなるのだろうが。

「だから木に登って口上なんて目立つことは駄目よ。」
「それはそうですけど……」
「いーわね、アメリア」

なおも不満そうなアメリアを口先三寸でまるめこもうとするのだが……
しかし、それよりも先に。

「おい、何をしている?」
野太い声は後ろからした。

ぴぴくり。
妙な引きつり具合で肩を強張らせ振り向く先は案の定というか。
とりあえずいつもの如くのガウリイだけでないのは確かである。
……まあ、あれだけ騒いでいたら分からないわけがないかもしれないが。
がっしりとした体躯にレザーアーマー。手に持った獲物はごついアーミーナイフ。
お世辞にも柄が良いとは言えない顔つきと物腰は、間違いなく盗賊のものだ。
気づいたリナの小さな舌打ち。

「予定が狂ったわね。」
「何の予定だ。」

呟きを聞きとがめて訝しげに男は首を傾げる。
この盗賊、なかなかいい耳をしている。
エルフ並といわれる彼女と比べても遜色がないのではないだろうか。そのくらいの些細な独り言だ。
「いえ、たいした予定でもないんですけど……」
不自然じゃないようにごつい男に怯える駆け出し魔道士を想定して目を伏せ、そっと懐の影縛り用のナイフに手を伸ばす。
アメリアを目で制してか僅かにうつむき、恐怖に震えるふりをして近づいたところで。

「こーいう予定よっ。」

突き出したナイフはあっさりと受け止められた。超一流とは言えなくても盗賊くらいなら剣一本でもあしらえるくらいそこそこの腕はあるはずのリナがである。
予想していたのだろうか。それとも見て止めたのだろうか。
どちらにしても中々の性能の耳といい予想外にできるらしい。

「物騒な嬢ちゃんだな。」

ひねり上げられた手に僅かに顔を顰め、口笛でも吹きかねない男にむかっときて睨み付けるが意も解さず手が緩まない。
だがリナの攻撃はそれで終わりではない。
捕まえられているというのに一瞬、笑んだように男が認識した時に。

「爆裂陣」

アメリアの力強い一言に、大地が吹き上げた。
一緒に吹き飛びつつも浮遊を素早く唱えてアメリアのすぐ側に降り立つ。
もちろん後でこの落とし前はつけてもらおうとは思いつつ、リナは叫んで先に立った。

「こーなったらちょっと乱暴だけど普通に行くわよ!」

昔は良くやった
――――力押し。
今も変わっていないだろうと言われそうな騒動を繰り返しているような気もするが、相方が違うだけあってその被害は格段に小さい。
ただしだからといって被害がまったくでないわけではないが。

「適当に派手な呪文を外からぶっ放して合図で中ね。
お宝は埋めないように気をつけんのよ!」

「はいっ!」

リナの後を追うようにアメリアも駆け出して軽い攻撃呪文をぶちかましまくる。

「火炎球」
「爆発舞」
「振動弾」
「炎の矢」

一応場所は森の中に分類されるのだが、それなりに広さはあるため問答無用で炎の精霊呪文である。
水系の呪文よりも対多数では効果を発揮するからである。風やアストラル系の呪文も広範囲呪文はあるが……派手で効率の良い炎系の呪文についつい走ってしまうのだった。






どのくらいを走り抜けたのだろう。そこかしこから火の手が上がっている。
そろそろ出てくるだろうか?
途中で中に入ることは諦めた
―――とはいっても後回しにしただけではあるが―――今回はお宝ではなく討伐が目的だ。依頼料が手に入らないのは痛いし、きっちり頭を潰してからでもお宝は逃げない。
普通リナが相手にするような野盗ならともかく上がしっかりしているのかここの野盗は骨がありそうであるし。
誘き出したほうが確実だ。
それに接近戦担当のガウリイは居ないのである。魔法を見境なしに使える外の方が何かと効率はいい。
ならそれをするにはどうするか?

すなわちこの行動。巣穴を壊せば蟻は這い出す。

前方に複数の人影。
いまや煌々と炎で明るい中にずらりと並ぶのは5人だけだった
――――もっともその周辺に走り回っている下っ端は多く居るが――――初めの男もその中に居た。
こういう場合、たいてい強面の兄ちゃんを侍らせ中央にいるのが親玉である。
そして偉そうなことを言ったり下品な笑みなんぞを浮かべて見せたりするのだが
――――リナはくすりと口角を上げた。

「へーここの親玉はずいぶんと普通なのね。」

この場合の普通、とは普通の盗賊という意味ではない。
盗賊の親分などという奴は獣脂を塗りたくったようにぎどぎどとした肌を上半身をめいいっぱいさらしたこれぞ盗賊の親分!と主張した格好なのだが。

「見かけ倒しの筋肉馬鹿は苦手でね。」

言って飄々と肩を竦める男は紺のローブにゆったりとしたズボン。防具はつけていなく、獲物はどうやら棍であるらしい。容姿としては背は高め、造作は特に整っているわけではない。だが、精悍といって差し支えない面差しは中々女うけするものであろう。タイプとしてはガウリイに近い。
ようするに傭兵の雰囲気に似ていた。

「美的センスはまともなわけね。」
「さて。まともだったら手を引いてくれるのかな?」
「まさか!依頼料とお宝は労働報酬としてきっちりもらうわ。」
「そりゃそうさな。こっちとしても逃がすつもりはない。」

今度は男の方がニヤリ、と笑む。

「たとえ相手がリナ・インバースだとしてもな。」
「へぇ?あたしの名前よく分かったわね。」
「その度胸と手腕にその胸見りゃ誰だってわかるさ。」
「最後のは余計だ!!」

どこが余計だ、とでもいう風にいっせいに首を傾げる野盗たち。
(まったくどいつもこいつも……)
ヒクヒクと怒りで波打つこめかみを抑えてリナが舌戦を開始するよりそれは一寸早かった。

「おまちなさいっ!」

朗々と響く少女の高い声。
今度はリナが顔面を地面にのめり込ませた。

「誰だっ!?」
「ええいっどこに居る?」

「いたぞっ!あそこだっ!!」

やっぱり盗賊とは付き合いのいい連中であるらしい。流石の頭らしきリナの前に立つ男も驚いたように目を点にしていた。ただししっかりと声の主を捉えていたが。
もちろんリナは探すまでもない。誰の声だかもわかっているし、何をやりたいのかも嫌というほどわかっている。
(やっぱり納得してなかったわけね……)
アメリアの説得途中で止めた男を恨みつつ、やっとのことで起き上がると頭痛がするとでも言うようにこめかみに手をやった。

「弱者を挫き、己の欲望を満たすものたちよ。
たとえ天が許してもこのアメリアが許さない!今こそ正義の鉄槌を受けてみよ!!」

いつの間に登っていたのか。
そんなことは問題ではないのだ。
このまま落っこちるのを待つか……
ふむ、と考えてそれは却下とリナは断じる。
立派な口上を述べた娘が勢い良く木から飛び降り顔から着地するという光景は、気勢はそげるかもしれないが、アメリアも一瞬戦闘不能になること間違いなしである。
まあ頑丈な娘だからすぐさま起き上がって戦闘に雪崩れ込むのだが。
となれば……

「いきなり火炎球!」

自慢の早口で唱えた予備動作なしの火炎玉が野盗の頭に向けて飛来する。
若干威力は落ちるが人間相手には丁度いい。これでも三流魔道士よりはそうとう威力がある。どのくらいかと言われれば直撃すれば死んでもおかしくはないくらいである。
倒せなくても良いのだ。このどさくさでアメリアがあそこから飛び降りることを止めてさえくれれば。

「おっと」

放った呪文はその棍の一振りで霧散した。なんでもないことのようにやってのけるがリナは大きく目を見開く。
確かに、それで終わりなどという結果は期待していなかった。だが男が避ければ別に当たる。どちらにしろ戦闘開始の華々しい合図になるかと思ったのだが。
日頃ガウリイなんかを見慣れているからたいしたことのように見えないが、十分にえらいことなのである。
ガウリイが簡単にやってのけるのはそれはそれ。彼の腕もありながら獲物が光の剣などという伝説級の魔法剣であるからまったくもって問題ない。
つまり
―――――マジック・アイテム。

「ちょっとばっかりおいたが過ぎるぜ?」

ニヤリと笑んだ顔はさすがにあれくれ男を統べ、街道を荒らしまわる盗賊の首領だった。




◇ ◇ ◇





リナと盗賊の首領が対峙する。
首領を信頼しているのか、それともハイレベルな戦いに入れないと思ったのか彼らがリナに手を出す気配はない。それにも拘らずどう贔屓目に見てもリナは苦戦していた。
炎の矢に氷の矢、烈閃槍などの小技を駆使してセオリー通りに無難に攻める。それがこういった場所で更に人間単体相手には有効なのだと彼女は身をもって知っていた。近頃は一人きりで戦うことは稀だったうえ、なんだか魔族やら盗賊団体相手以外は相手取る機会もなかったものだからそれなりに使える技は豊富だったが。
まあ実際、魔道士が一対一の場面などということもそうないのかもしれないが。
とにかくある程度の距離がなければ大技は使えない。故の小技は、だがその全てがあるいは避けられ、あるいは打ち払われていた。男にダメージがあった様子はない。
あの男、見かけと口だけではないようだ。
それに腕もいいが、あの棍が厄介なのだ。

「氷の矢」
リナの力強い言葉に従い無数の氷の刃が飛ぶ。
そして、また。

「はっ」
鋭い呼気で一蹴される。
技量としては上の中、比較するならガウリイほどではないとは思う。
だが。

繰り出された蹴りを間一髪で避けながら、再び呪文を唱える。
それを許さぬように追ってくる棍の先。
剣よりも長いそれは呪文の完成を許さない。
避けたつもりで浅く入ったそれはショルダーガードを粉砕しないまでも呪文をいったん中断させるくらいの衝撃があった。

「ワンパターンじゃ面白くもないぜ?」

ニヤリと笑む。余裕がある、実力全てを出していない証拠だ。

「ワンパターンとは言ってくれるじゃない?」
「もう少し遊べるかと思ったんだが……事実なんだから仕方がないだろう?」

打たれた肩に一度手をやり、一度大きく跳びずさって間合いを取ってはみるが……
笑んだ男はそれを許したが、阻止できなかったわけではない。自信があるから見送ったのだ。
―――――それだけの距離ではたいした呪文を唱えさせないという。

「なんかやばい雰囲気ね……」

意外とやる、と呟くそのリナの言葉には余裕がない。
そのこめかみを僅かに冷たい汗が流れる。
たかが盗賊、と侮っていた。それは間違いだとリナはすでにわかっていた。





アメリアの相手はリナほどではなかった。
いくら人数で勝っているとはいえ呪文一発も唱えれば終わってしまうような人間が多いのでは話にならない。
一発とはいかない相手もリナとやりあっているようなマジックアイテムもなければ一流どころではないから苦戦もしようはずがなかった。
累々と横たわるところどころ焦げた男たちを足蹴に勝利のVサインをかましたところに……リナが吹き飛んできた。

「でぇぇぇっ」

――――思わずよけてしまったアメリアに非はない……筈だ。
これがガウリイやらゼルガディスなら別だが彼女に勢い良く飛ばされた人間を抱きとめるほどの力は当然なく、一緒に吹き飛ばされかねない。もしかしたら相手はそれを狙っていたのかもしれないが。
勢い良く振り向けば地面に叩きつけられたリナが僅かに呻き身を起こす。
あのリナが苦戦していることに驚きながら、薄く笑みを称えた男を見たアメリアは瞬時に状況を悟る。
鈍く輝く棍は、あきらかに金属の輝きではない。

リナは強い。だがそれに敵う人間がいないわけじゃない。
ガウリイ然り、ゼルガディス然り。
リナの強さは魔力容量と攻撃魔法のバリエーションの多さ、それらをここといったところに使う判断力にある。
要するに魔法を最大限に利用してこその強さであり、接近戦での戦闘は呪文を唱える時間が掛かる以上どうしても不利になる。
その上あの武器では遅れをとるのも無理はないのかもしれない。
それだとてあの首領が只者ではないという事実の上に成り立つ仮定だが。

「霊王結魔弾」
足を倒した人の山から下ろし、力強い言葉と共に構えた拳を首領に向ける。
人間相手にかます呪文でもないが、相手はマジックアイテムを使っているのだ。素手で勝負を挑むにはそれくらいのオプションはあってもいいだろう。
そもそも人間相手にそれをするのは正義に反するか否か。
相手は盗賊、こちらはそれを退治しに来たのであって問題はない。

「へー今度は格闘術かい?」

構えた拳を前に面白そうに向き直った男の余裕が、アメリアの気に触った。
それでも珍しく短気は起こさず、じりじりと構えつながら隙をうかがう。

「アメリア、気をつけて。あの棍、魔力も打ち払うわよ。」

後ろからリナが忠告を放つが、その言葉の意味を正確に知ることもなく。
……もちろんそれはリナとて同じだが。

「大丈夫です!正義は必ず勝つんですから!」
「あ〜ん〜た〜は〜!今の状況分かってんのか!!」

微妙に緊張感の欠ける問答をしつつ、アメリアは首領に向けてダッシュした。

バシュっ。

腹に向けて叩き込まれようとしたアメリアの拳を男の棍が迎え撃つ。
呪文を打ち払うだけあり、火の矢や烈閃槍より格段に力が上であろう彼女のそれをもってしても破壊することはできなかった。
だがその棍を掴み、それを軸に体を反転させ蹴りを放つ。
足に呪文はないが、人間相手ならば十分に通用する。

だが
―――――

かくん、と膝が折れる。その隙に棍が鳩尾に叩き込まれた。
手加減をしているのか、それともアメリアの体が男の思う以上に頑丈なのか
―――おそらく両方であろう―――殆ど受身も取れなかったというのに体自体はそれほど痛くはなかった。けれど、握った拳が熱く、痛い。

――――魔法が切れている。
拳に込めた魔力がいつのまにかない。

どうして、と自問する。
一定時間魔力を拳に留められる呪文である。
ゼルガディスやリナとは違い、剣を使わないアメリアの編み出した対魔族用の格闘術の呪。絶対とは言わないが、戦闘の技量が上なら人間相手に簡単に破られるものではないという自信くらいはある。

(魔力を吸い取られた……?)

あの棍にぶつかったものは、リナは放った魔力だった。直接に触れたりはしなかった。
だからそれだけだったのだ。

(あれは……触れたものから魔力を奪うんだわ。)

手という媒介を通して、体内の魔力を吸い取られたのだ。
気づいても
―――――遅い。

「アメリアっ」

リナの悲鳴じみた声が耳を打つ。
考え込んでいる間、一瞬気を散じていたらしい。

突き飛ばされる。

それはどこか。
まるで過去の再生。
遠くだった。目の前ではあったけれど手が届かない位置で起こったことだった。
あの時リナが庇ったのは……長い、黒い髪をした一見しとやかで、実は案外強かな巫女。

「リナさんっ」

貫いたのは魔力の光。
アメリアの死角から放たれた燐光はリナの黒いマントを叩き、さらに腹部を薙いで行った。
後方に魔道士がいたのだ。

「リジム!」

盗賊の首領から鋭い声が飛ぶ。
叱責のつもりか。
それが楽しみを邪魔されたからか、それとも背後からの卑怯に対するものか。
そんなことはどうでもいい。その意味も、その魔道士も。
だから姿も見ずに、

「爆発舞!!」

混乱した頭の中、瞬時に唱え始めた呪文を放ち
――――――

「浮遊」

アメリアは逃げ出した。







はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。
呼吸が荒い。

悪人に背を見せるのは暴れたくなるほど嫌だが、ここで仲間を捨てることは正義だとは思わない。
だってリナは自分をかばったのだ。
食い意地が張っていて、お金に意地汚くて、傍若無人。
関わるとろくなことにならないし、結構虐げられているんじゃないかと思う扱いを受けることもある。
けれど知っている。
本当は仲間内でも一番お人よしで、情に弱い。
ガウリイだけじゃなく、アメリアだってそんなことは知っているのだ。

「大丈夫、大丈夫よ。だってリナさんは殺しても死ななそうな性格だもの。」

意識のない人間の体は重い。いくらリナが小柄だとはいえ装備の重さもありさらに小さいアメリアには抱き上げることはできない。
リナにだけ浮遊を掛けてその手を引っ張るようにして森を進み、見つけた岩の割れ目にするりと入り込む。
そこに入るのは小さなそれは大人の男には無理だろう。甲冑を着けていればなおさら。
中は意外と広い。
リナを横たえるとずるずると座り込む。
その拍子に触れたリナの体は酷く冷たかった。

「リナさん……」

復活を掛けるにはアメリアは魔力を吸い取られすぎた。一応は掛けておいたが全快するほどまでは続かない。
死んでしまうことはないとは思うが、きちんと手当てするのが遅くなればそれも分からない。

「ガウリイさん、ゼルガディスさん……早く来てくださいっ……」
力ない白い手を握ってアメリアは祈るように呟いた。